君がここにいるということ
文章力 ★★☆
構成力 ★★★
表現力 ★★☆
引き込まれ度 ★★☆
心に残る度 ★★☆
読んだ月:2016年11月
小児科医である緒方さんが
長い医師人生の中で心に残っている18人の患者について
それぞれを短い話でまとめた本である。
1篇1篇が短くテンポよく書かれているので
すらすらと読み進められる。
もともと医師になるほどの人だから文章力も秀でているのだろう。
全部で18のエピソードがあるが
そのどれもが心打たれるわけではない。
うーむ、と考えさせられたり
なんと、と驚かされたり
じーん、と涙をこらえながら読むに至ったり。
18個の話のうち、私が感動したのは3つか4つだ。
それでもこの本が素晴らしいと思うのは
やんわりと、ともすれば読み過ごしそうな文章の中に
緒方さんの小児科医としての使命感が伺えるからだ。
緒方さんはあとがきでこう書かれている。
『この本を読んで、小児科に興味を持ち、小児科医になってくれる
若い人が出てきてくれたら、これ以上の喜びはない。』
その思いがビシバシと伝わる書籍である。
中でも心惹かれたのは『私の名前を呼んで』というエビソードだ。
生まれるということと
生きられるということは全く別のことなのだと思った。
生まれることができたこと
生きられていること。
感謝しなくてはいけないと思う。
緒方さんがそうされているように
私も声に出して読んでみた。
「恵未ちゃん。」
届くといいな、恵未ちゃんに。