お腹の傷は、かさぶたになっては取れ、
またかさぶたが出来ては取れて、を繰り返しています。
理由は簡単で、
母キツネがお乳を与えながら
かさぶたを毎回はがしてしまうから(涙)
きれいにはがす技術は大したものです。
前にも同じようにアンヨがかじられた赤ちゃんがいましたが
この程度なら歩くには何ら支障はありませんでした。
というか、我が家のフェネックの中で一番飛び跳ねていたのが
その指先をかじられたフェネックでした。。。
もう1匹はしっぽのさきを踏まれました。
これからシッポにも毛がどんどん生えるので
この程度なら目立たなくなるでしょう。
フェネックの育児はかなりワイルドです。。。
一番体が小さかった赤ちゃんを見送りました。
昨日の夜から両手で包んでいました。
徐々に、徐々に弱っていくのがわかりました。
息を吸って、吐いているだけの状態でした。
それでも30分おきにミルクをやると、
ちゃんとそれを飲み込んでくれていたのです。
このまま持ち直すのではないか。
そんな期待を抱いてしまうほど、
あの状態の赤ちゃんにしては本当に珍しく
ミルクだけはちゃんと喉の奥に通してくれていました。
それでも午前2時すぎに、突然赤ちゃんのおしっこに赤みが出た時、
私はようやく諦める気持ちになりました。
血尿でした。
それから赤ちゃんは、小さな体にはあまりに不釣り合いの
多くの量の血尿を流すことになりました。
お尻を拭いてやるたびに思いました。
なんてかわいそうなんだろう、と。
それくらい、赤くにじんだ尿が、お尻をふくたびに出てきました。
かわいそうに。
心の中で何度もそう思ったのですが、ふと気づきました。
かわいそう、かわいそう、と思われながらいるなんて
それこそこの子がかわいそうじゃないか、と。
私は言葉を変えました。
「夢をありがとう。楽しい時間をありがとう。」
私はこの小さなフェネックを自分で飼うつもりでした。
あの子が大きくなったら、こんな風に一緒に遊ぼう。
他のフェネックと仲良くなれるかしら。
寄り添って眠る姿が見られるかしら。
生後3日目くらいから、小さなフェネックとの暮らしを
ずーっと、ずーっと、思い描いていました。
それはとても楽しい時間でありました。
小さなフェネックは、その後も私の手の中で
細々と息を吸っては吐いて、吸っては吐いて、を繰り返しました。
朝になり、私が仕事にでかける時間が近づいていました。
どうしよう。
絶対に1人で残すことはできません。
職場に内緒で連れて行こう。でもどうやって?
ずっと手の中に入れておきたいけれど
電車のなかではどうすればいい?仕事中は?
そんなことを考えていたら
私が家を出るわずか20分前に
小さなフェネックは静かに息を引き取りました。
飼い主の勝手な思い込みと言うか、
単にそう思いたいだけのこじつけかも知れないのですが
小さなフェネックは、
ぎりぎりまで私と一緒にいたいと思ってくれていたのかな。
そう感じました。
見送ってから12時間以上も経っているのですが
一晩中、両手で包み込んだ小さな小さな体の温もりと
か細い呼吸の動きが
まだ私の手の中に感触として残っています。
ちっちゃなフェネックの赤ちゃん。
一緒に暮らす夢をありがとう。
あなたとの暮らしを想像しながら
毎日をとても楽しく過ごせました。
ありがとう。
生まれてきてくれて、ありがとう。
